音楽を高品質の音で聴くならハイレゾでしょう。
なんて言葉を聞いたことがあると思います。
最近ではかなり一般的な言葉として認知されるようになってきたハイレゾ。
でもハイレゾなんて意味ない、という意見も数多くありますよね。
果たしてハイレゾは本当に音が良いんでしょうか、それとも意味がないのでしょうか。
今回は多くの人が分かっているようで分かっていないハイレゾについて解説していきたいと思います。
もしかしたらあなたもハイレゾについて勘違いしてるかも?
そもそもハイレゾについてちゃんと理解していますか?
あなたはハイレゾについてちゃんと理解出来ていますか?
ハイレゾとは「ハイレゾリューションオーディオ」という言葉を略したものです。
つまりハイレゾとは「高解像度の音源」という意味です。
もっとかみ砕いていえば「いい音」のことです。
細かい説明をするときりがありませんので簡単に言いますね。
ハイレゾ音源とはCDの音質を超えた音源を指します(かなり乱暴ですが笑)
ですから通常の音楽CDの音質はハイレゾとは言わないんです。
え、CDだって十分にいい音だと思うけど・・・
そうなんです。
ほとんどの人にとってはCDの音質は十分に「いい音」なんです。
でも世の中にはCDの音では満足できない人たちが少なからずいるんですよ。
で、CDの音質を超えた音源やそれを再生するためのオーディオ機器を作って「これはCDを超えるいい音のためのものです」と銘打って販売しているんです。
それがハイレゾ音源でありハイレゾ対応オーディオ機器なんです。
で、ハイレゾだと音は良くなるの?
ハイレゾは音が良い、だからハイレゾ。
世の中の人の多くはそう思っていることでしょう。
確かにオーディオ関係の雑誌やオーディオメーカーなどのサイトを見れば、ハイレゾは凄く音が良い、と賞賛しています。
通常のCDと比べ音の粒状感がよりきめ細かく、高域も歪むことなくきれいに自然に伸びている・・・なんて。
確かに、ハイレゾ音源はCDよりも広帯域にわたって信号が記録されていますから、より情報量が多いことは事実でしょう。
しかしそれを再生する機器、CDプレーヤーやアンプ、スピーカーはどうですか?
それだけの情報をしっかり受け止められる性能のものですか?
オーディオというのチームプレーですから、それらの機器のすべてがハイレゾ音源の情報を受け止められるものでなければなりません。
それって、結構な高級オーディオシステムになってしまうと言うことなんですね。
でも、ここで疑問。
さきほどCDでも十分に良い音だと言いました。
じゃあ機器もすべてハイレゾ対応のものを揃えたとしましょう。
で、ハイレゾだとそのCDよりももっと良い音が聴けるのでしょうか?
正直に言えば「判らない」というのが答えです。
なぜならハイレゾ音源は人間の耳で聞こえる範囲を超えた情報を含んでおり、それを再生できる機器がハイレゾ対応機器です。
聞こえる範囲の外の音が鳴っていて、果たして意味があるんでしょうか?
オーディオマニアに言わせれば、音は耳だけで聴くのではなく肌でも聴いているので聞こえる範囲外の音の再生には意味があると言います。
この意見に関しては私はもの凄く懐疑的です。
だったらブラインドテストをしたらちゃんと音の違いが分かるんだろうな?
オーディオ雑誌なんかでは絶対にブラインドテストをしません。
理由はあなたにも分かりますよね。笑
イヤホンでいい音を追求する意味とは
さて、良い音で音楽を聴きたいと思うのはオーディオマニアに限ったことではありません。
最近は若い人を中心に多くの人がスマホやポータブルオーディオに録音した音楽やストリーミング配信によって音楽を楽しんでいますよね。
外出先や通勤通学の際にもお気に入りの音楽を良い音で聴きたい。
ということで最近はイヤホンにもハイレゾ対応を求める人が増えてきています。
これについて、ハイレゾ対応イヤホンなんて意味がないという人も少なからずいます。
かくいう私もその一人ですが。笑
より良い音を聴くために高音質のイヤホンを求めて何が悪い?
いえいえ、悪くなんてないですよ。
ただあまり意味がないと言っているだけです。
その理由を今から説明しますね。
先ほど私は「オーディオはチームプレー」だと言いましたが覚えていますか?
このチームというのは
・音源(CD、ハイレゾ音源など)
・再生機器(CDプレーヤー、DACなど)
・アンプ
・スピーカー
です。
細かいことを言えばそれらの機器を繋ぐケーブル類とかも含まれますがこれらの影響は知覚できるほどのものではないため割愛しますね。
さて、イヤホンはこれらの中では「スピーカー」に相当します。
すなわち「音の出口」ですね。
イヤホンまでしっかりと高品質の信号が送られてきているとすれば、それを再生するイヤホンにも高品質なことが要求されます。
ただし、スピーカーとイヤホンには決定的な違いがひとつあるんです。
それは「リスニング環境」です。
イヤホンで音楽を聴くのは通常は外出しているときがメインでしょう。
外出先、すなわち屋外であったり電車内であったりお店の中であったり・・・
これらの場所に共通するのは「騒がしい」ということです。
つまり高品質な音がイヤホンから再生されているとしても、それにさまざまな騒音が乗っかってくると言うことです。
大音量でビートの効いた音楽を聴くなら、こうした環境もそんなに気にならないかもしれません。
しかしながら静かな音楽や微少な信号が含まれる繊細な音楽の場合、こうしたリスニング環境は決して無視できるものではありません。
走っている車の音、子どもたちのはしゃぐ声、お店の呼び込み、風の音・・・
そうした音と一緒に音楽を聴くために、ハイレゾ対応イヤホンは必要でしょうか?
はっきり言いますが、音楽を聴く上での理想的な環境を用意できない屋外でのリスニングに必要以上のクォリティを求める意味はありません。
そこそこの品質で十分です。
それ以上のものを選ぶ理由は、あなたの見栄以外にはなにひとつありません。
いくら音が良いとメーカーに煽られたとしても、いたずらに高級なモデルを購入するのはお勧めできません。
本当にいい音は数値化できるのか
ではどの程度のものを選べば良いのか?
またどうやって選べば良いのでしょうか?
数値的に優れたものを選びたいと思う気持ちは分かります。
しかしこれまで説明してきたように、イヤホンで音楽を聴く環境を考えると数値化された性能にこだわるのは意味のないことです。
最もオススメな方法は自分の耳で確かめることでしょう。
それにはお店に行って普段聴いている音楽を聴いてみるのがいちばんです。
お店は騒音だらけですからそうした環境で試聴してみて気に入ったなら、購入しても問題ないでしょう。
もし近くにオーディオショップがない方は、口コミ情報など「実際に使用している人の意見」を参考にすることです。
そうすることでその製品の「本当の姿」が垣間見えてくることでしょう。
結局のところ
今回はイヤホン選びの基準としてハイレゾ対応が意味を持つのかどうかについて説明しました。
結論は「大した意味はない」となります。
イヤホンそのものの音質が良いとか悪いというのは二次的な要素であり、最も重視すべきは実際に使用している人がどう感じているかという一次情報です。
そのためには自分で聞き比べるか、口コミ情報を参考にすること。
決してメーカーの宣伝文句やオーディオ雑誌のレビュー記事は信じないようにしましょう。
ということで、今回はこの辺で。
最後までお読みいただきありがとうございました。