卒業式の服装について。
卒業する生徒やその親御さんたちにとっては1回限りのイベントですが、教員にとっては毎年の恒例行事です。
このためベテランの教員は卒業式用の服装がすでに用意できていて、毎年それを着れば良いだけなので気楽かもしれませんが、新人教師やはじめて生徒を卒業させる担任にとっては「なにを着て出席しよう・・・」と悩んでしまうものです。
今回はそんな新人教員のあなたに、教員の卒業式における服装について解説していきたいと思います。
教員にとっての卒業式とは
冒頭にも書いたとおり、あなたが教員をやめない限りこれから毎年の恒例行事となるわけですが、そもそも卒業式とは何なんでしょうか?
教員であるあなたにこのような問いかけをすることは釈迦に説法かもしれませんが、案外ちゃんと知らずに教員をやっている人も多いのが現状なんです。
卒業式とは「学校教育のすべての課程を修了した生徒に修了証を授与するための式典」です。
学校という機関にとってはもっとも重要な式典と言えるものなんですね。
それだけに学校関係者にとって卒業式とはとても厳粛なものなんです。
卒業していく生徒やその親御さんたちは「めでたい」という感覚でややカジュアルな服装になっても問題はありませんが、送り出す学校側としては決してカジュアルなものではないと言うことを理解しておく必要があります。
学校にもよりますが、教員が卒業式に参列する際の服装について厳しく規定しているところもあるようですが、要はそういう式典が卒業式ということです。
だとしたら教員の卒業式の服装は
厳粛な式典に主催側として参列する以上、当然のことながらテキトーな服装は許されません。
基本は礼服です。
ただし礼服とひとことで言っても意外と広い意味があるので、その辺を簡単に説明しますね。
礼服(フォーマル)にも正礼服・準礼服・略礼服の3種類があります。
正礼服がもっとも格式が高く、略礼服がもっとも柔らかいものとなります。
正礼服とはモーニングや燕尾服、タキシードなどを指しますが、燕尾服やタキシードは夜の行事に着ていくものなので卒業式にはモーニングが正礼服となります。
準礼服とはブラックスーツ(ブラックフォーマル)やディレクターズスーツを指し、結婚式や披露宴、祝賀会などに着ていくものとなります。
そして略礼服とはダークスーツやブレザー+スラックスなどを指し、カジュアルなお祝い事やドレスコードのあるレストランなどに着ていきます。
で、卒業式ではどの礼服を着ていけば良いのでしょうか。
これは明確に決められています。
・校長先生は正礼服
・教頭先生、卒業生の担任は正礼服または準礼服
・その他の教員は略礼服以上
あなたが卒業生の担任でなければ略礼服で参列すれば良いですが、もし卒業生の担任だったにもかかわらず略礼服で参列してしまうと、式典で浮いてしまいます。
それと同時に卒業生や親御さんに対しても失礼と言うことになってしまいますので注意が必要です。
そういう意味では、あなたが校長先生になるまではブラックフォーマルで参列しておくのがもっとも無難と言えるでしょう。
ブラックフォーマルを一着持っていれば、その他の場面(結婚式や披露宴、祝賀会など)にも着回しが可能ですので、持っていないならこの機会に一着作っておくと良いでしょう。
卒業式での教員のNGコーデ
ここまで見てきたように、卒業式は厳粛な式典ですので基本は礼服問うことになります。
ただ礼服は個性を発揮することの難しい服装ですので、あなたが少しでも自分なりの個性を出したい場合どうすれば良いのでしょうか?
そもそも「礼服」と規定されているにもかかわらず個性を出したいと考えること自体に無理があります。
ここはとても大切な部分ですからしっかりと理解して欲しいのですが、卒業式の主役はあなたではないということ。
学校としてのもっとも厳粛な式典が卒業式であり、校長や教頭を含めた教員はすべてその式典を執り行うスタッフに過ぎないのですから、式典のルールに従うのが当然なんです。
ですから「みんなと同じじゃ目立たない」とか「少しでも個性を発揮して」なんて考えることがそもそも間違いだと気付きましょう。
礼服と規定されているのですから礼服を着るしかないんです。
にもかかわらずビジネススーツを着るとか派手な色のネクタイをするとかは論外。
完全にNGコーデと心得ましょう。
ご存じないかもしれませんが、ブラックフォーマルでさえ本来は礼服ではないんです。
日本では略礼服とされていますが、これは日本だけのルールであり国際的には礼服扱いではありません。
そのくらい礼服の規定は厳しいんですから、コーデで個性を出そうなんて思ってはいけません。
結局のところ
今回は卒業式における教員の服装について説明してきました。
卒業式の教員の服装は「礼服」一択です。
いろいろ思い悩む必要なんて全くありません。
なにも考えず礼服を着て参列すればいいんです。
そんなところで個性を発揮しようなんて考えず、もっと他の場面で個性を発揮してください。
ということで、今回はこの辺で。
最後までお読みいただきありがとうございました。