正月になると、家の玄関にしめ縄を飾りますよね。
面白いものでこのしめ縄飾り、ある日を境に突然飾られはじめ、またある日を境に姿を消します。
これはしめ縄飾りを飾る期間が決められているからなんですね。
期間にするとだいたい1ヶ月程度ですが、外した後のしめ縄飾りはどのように処分されているのかご存じですか?
そもそも1ヶ月程度しか使わないものなら勿体ないから来年も使いたい・・・
そう思う人も多いのでは?
なにかとよく分からない正月のしめ縄飾りについて、今回はしっかり説明していきます。
しめ縄飾りを正月に飾る意味とは
私たち日本人はなぜ正月飾りをするのでしょうか。
ただ単に正月の気分を盛り上げるため?
そういう人もいる事と思いますが、実はもっとちゃんとした意味があるんです。
それは
お正月が年神様を迎える行事である
という事が関係しています。
これはいわゆる福の神様が各家庭を訪れるため、丁重におもてなししてこれからの一年をいい年にするための昔ながらの習慣がもとになっています。
正月飾りには、門松・しめ縄・鏡餅などがありますが、それぞれに意味があります。
門松には年神様が間違うことなくちゃんと来てくれるように「目印」として飾ります。
昔ながらの家だと立派な門松を飾りますが、私の家では簡単な松飾りを家の門にくくりつける程度です。
要は年神様が迷うことなく家に来る事が出来ればいいわけですから、立派なものでなくても構わないんです。
また、しめ縄飾りは「ここから先は神様の居場所」を示すものです。
訪れた年神様が正月の間いる場所という意味で、一種の結界の役割も果たします。
しめ縄飾りに縄を使うのは「縄張り」という意味であり、神様が安心して過ごせるようにという意味があります。
そして鏡餅は神様の居場所を表します。
正月の間、神様は鏡餅の置かれた場所で過ごすためお持ちには霊力が宿るとも考えられています。
このようにそれぞれの正月飾りには意味があるんですね。
しめ縄飾りはいつ飾っていつ外す?
さて、こうした正月飾りには飾る時期が定められています。
一般的には「正月事始め」とされる12月13日以降に飾るとされています。
これは正月事始めから正月の準備を始める人が多いためです。
まあ正月のための準備ですから、必ずこの日から飾らなければいけないという堅苦しい決まりというわけではありません。
新年を迎え、年神様が迷わずに来てくれるように飾るものですから年を越す前に飾れば問題はないんですね。
実際いまの日本ではクリスマスを祝う過程がほとんどでしょうから、クリスマス以前に正月飾りをする家はあまり多くありません。
また縁起を担ぐ日本人の特質から、末広がりの「八」が付く28日に飾るという人も多いですね。
縁起という意味では29日は「二重苦」と苦しみを連想させるため飾るのには相応しくない日とされています。
まあ縁起なんか気にしない、という人はいつ飾っても問題はないんですけどね。笑
そして飾りを下ろす日は、門松としめ縄飾りは「松の内」が終わる1月7日が一般的です。
そして下ろしたしめ縄飾りや門松は神社で行われるどんどん焼きで処理してもらいます。
併せて1年間お世話になったお守りやお札、おみくじなども一緒に処理してもらうのが理想とされています。
鏡餅は1月11日に鏡開きとしてお汁粉に淹れて食べます。
案外面倒くさい・・・ですよね。
正月飾りというのは一種の神事ですから、こうした決まりがあるんです。
でも・・・
しめ縄飾りを使い回す事の是非
しめ縄飾りや門松など、たったの1ヶ月飾っただけで処分してしまうのはなんとなく勿体ないと思いませんか?
飾る期間は分かったけれど、来年まで捨てずに持っていて再び飾ったりするのって良くないんでしょうか。
ちゃんとした答えを言いますと・・・
使い回しはしないのが一般的。
その理由は以下の通りです。
正月になると年神様が門松を頼りに家にやってきます。
で、年神様というのは「稲の神」「田の神」と呼ばれる五穀豊穣の神様です。
このためにしめ縄は稲藁を用いて作られるんですね。
稲の神様、田んぼの神様ですから、稲藁に宿るわけです。
さらに、お正月にはお餅を食べお神酒を飲みますね。
お餅もお神酒ももとは米。
お分かりでしょうか?
しめ縄飾りの稲藁に宿った神様のパワーをお餅やお神酒を通して頂く。
そして松の内が過ぎ、しめ縄飾りに宿った神様はどんどん焼きなどの儀式によって、煙となって田や山に帰る・・・
これが正月という行事の意味であり正月飾りの意味なんです。
ですから毎年、しめ縄飾りはどんどん焼きで処理してもらうのが正式なんですね。
しかしながら現代はこうした正式なしきたりに則っている家は滅多にありません。
こうした神事が形骸化して、なんとなく正月はしめ縄飾りを飾るものだ、程度の感覚で飾っている人がほとんどでしょう。
大丈夫。
神様だってそんなあなたの事は百も承知ですから。笑
あなたがちゃんとしたしきたりに則った飾り方しないから、ちゃんと決められた処理をしないからと言って、へそを曲げるような神様はいませんので安心して下さい。
だって神様ですよ?
いいんです、あなたが年の初めを祝う意味でしめ縄飾りを飾っている、ただそれだけでも意味のある事なんですよ。
ですから二重苦と言われる29日にしめ縄飾りを飾って、松の内なんて関係ない日に飾りを下ろして押し入れにしまい込んで、そして1年後に再び取り出して飾ったとしても。
そんなズボラなあなただったとしても、神様は許してくれますし喜んでくれますよ。
いいんです、細かいしきたりなんてどうでも。
新年を祝うというあなたのその気持ちがあれば、しめ縄飾りが去年の使い回しだったとしても問題ありません。
くだらない儀式やしきたりに振りまわされることなく、あなたの正月を祝って下さいね。
結局のところ
今回はしめ縄飾りの使い回しの是非について説明してきました。
確かにしめ縄飾りを含む正月飾りには、ちゃんとした意味があります。
その意味に忠実になることは決して悪いことではありませんが、何よりも大事なのはあなた自身の気持ちです。
正月を祝う気持ちさえあれば、多少のことは多めに見てくれますって。
だって相手は神様ですからね。
ということで、今回はこの辺で。
最後までお読みいただきありがとうございました。