のし(熨斗)に名前を書く場合、どっちの名前を書くのが正解?
自分の名前?
相手の名前?
正解は「自分の名前」を書く、です。
これ、分かっていそうで意外と迷ったりしちゃいますよね。
でも、熨斗を付けてなにかを贈ることってそう頻繁にはありませんから、つい迷ってしまうのも無理はありません。
大丈夫ですよ、みんなそうですから。
というわけで今回は熨斗(のし)に書く名前について解説していきますね。
のしに書く名前は「自分の名前」
ちょっと考えれば分かるんですが、贈る相手の名前を書いてしまうともらったときに「誰からのものだろう?」と分からなくなりますよね。
だから「これは私からです」という意味も込めて自分の名前を書くんです。
さらに「フルネーム」で書くのが基本。
これも同じ名字の人が複数いたら、誰からなのか分からなくなるからちゃんと個人を特定できるようにと考えればわかりやすいでしょ?
このように普通にもらう人の気持ちを考えれば、答えは自ずと分かるものなんです。
だからいろいろと難しいことを考える必要はありません。
これで丸わかり!具体的な名入れの書き方
とはいうものの、相手の気持ちを考えただけではわかりにくい部分があるのも事実。
ということでここからはケースごとの名入れの書き方を紹介しましょう。
基本:フルネームで自分の名前を書く
基本のキは自分の名前をフルネームで書く、です。
一般的には直筆で書きますが、字が下手とか苦手な人は贈り物を購入するお店のサービスカウンターで代筆してくれるところが多いので利用すると良いでしょう。
サービスカウンターでは紙に名前を書くように言われますが、これはあなたの名前を漢字で代筆する際に間違いが無いように、との配慮からですので丁寧にフルネームを書いて渡しましょう。
夫婦連名の場合
夫婦で連名にする場合、名字はひとつだけ記入し、その下に右にご主人の名前、左に奥様の名前を書きます。
名字がひとつに対し名前がふたつになるため、バランスを考えて名字よりも名前を若干小さめに書くと綺麗に見えます。
家族以外の人と連名にする場合
家族なら基本的には名字が同じなので名字の下に名前を並べて書きますが、家族以外の人、例えば友人と連名でお祝いを贈る場合、フルネームで並べて書きます。
このときに注意すべきことは、目上の人が右に来るということ。
例えば課長とあなたの連名にするようば場合は、課長の名前が右であなたの名前は左に書きます。
これも縦書きの場合右から左に行が進んでいくため、右に書かれている方が上位の扱いになると理解すれば忘れることはありませんね。
年齢が違う場合にも年上の人を右に書くのが一般的ですが、この辺はあまり堅苦しく考えなくても良いです。
連名は3名までが一般的です。
4名以上で連名にする場合
連名にする人数が多くなると、それをすべて並べて書いてしまうと熨斗紙の下半分が名前だらけになってしまいます。
このため3名以上で連名にする場合は、代表者名を書き、その左側に「他一同」と書きます。
でもこれでは他一同が誰なのか分かりませんよね?
なので代表者以外の名前は中包みに書くのが一般的です。
職場のみんなで贈るような場合には「職場名一同」と書きます。
会社名を入れる場合
会社を代表してお祝いを贈る場合、あなたの名前の右に会社名を小さく書き添えます。
小さく書き添える理由は、文字数が多いと言うことと、あくまであなたの素性を洗わす情報でありメインの情報ではないのためです。
熨斗をつけないこともある?
贈り物だからって何でもかんでも熨斗をつければ良いってもんじゃないです。
熨斗を透けてはいけないものもあるんです。
熨斗って贈り物につける紙そのものだと思っている人が結構いますが、これは熨斗紙といって「熨斗をつける紙」のことなんですね。
で、熨斗というのはこの熨斗紙の右上につけられている折り紙のようなもののことです。
この熨斗ですが、元来は「あわび」であり縁起の良いものとして贈っていたものの名残としていまでもアワビを模したものとしてつける習わしなんですね。
ですから贈り物にハムとか鰹節などの生ものを贈る場合にはダブってしまうため、熨斗はつけません。
まあこれも、そもそもそんな習わしを知っている人自体が少なくなってきていますからあまり気にしなくても良いのかもしれませんが、年配の方に贈る場合には気にしておいた方が良いです。
書くときの筆記具は?
熨斗には自分のフルネームを書く・・・でも書くときにはどんな筆記具で書けば良いの?
これは基本的には毛筆となります。
でも最近ではちゃんとした筆と墨で書く人は少なくなりましたよね。
毛筆に変わるものとして筆ペンで書いても問題ありませんし、それもちょっと・・・というならサインペンで書いてもOKです。
書く際には必ず黒を使いましょう。
そのほかの色は使いませんので注意してくださいね。
出産祝いの返礼は子供の名前を書く
さて、熨斗に書く名前は自分のフルネームとお話ししてきましたが、そうじゃない場合もありますので注意が必要です。
出産祝いをいただいた場合の返礼を贈る場合は、生まれたこの名前を書いて贈ります。
これはお祝いをいただいたお礼、つまり子供からのお礼です、という意味と理解すれば良いですね。
書き方としてはフルネームではなく、名字を書かず名前だけを書きます。
ひらがなで名前にふりがなをつけるとより親切ですね。
名前なしは失礼か
熨斗に名前を書かずに贈るのは相手に失礼に当たるのでしょうか。
名前がなくても失礼に当たることはありません。
先ほども説明したとおり、誰からの贈り物かが分からなくなってしまうような場面、例えば結婚式のご祝儀とか大勢の人が熨斗をつけて持ってくるような場面では名前がないと相手に不要な手間をかけさせてしまうことになります。
しかし快気祝いとか出産祝い、新築祝いなどは直接手渡すのが一般的であり名前がなくても誰からのものか分かるので、名前がなくても問題ありません。
要はもらう相手のみになって考えればいい、ということです。
喪中の場合はどうすれば良いのか
熨斗をつけるのはお祝い事ばかりではありません。
喪中の場合、派手な熨斗をつけたりするのは完全にマナー違反です。
喪中の場合、自分が喪中でも贈る相手が喪中でも紅白の水引や熨斗は使わず、白い短冊状の熨斗紙を用います。
お中元やお歳暮に関しても、表現を変えて熨斗紙に書きます。
お中元は暑中お見舞いに、
お歳暮は寒中お見舞いに書き換えて送るようにしましょう。
結局のところ
今回はのし(熨斗)に書く名前について説明してきました。
慶事に熨斗をつけて送るというのは昔から一般的ではありますが、そう頻繁にすることでもないため細かいマナーなどを忘れがちです。
でも、もらう相手の気持ちや一般常識を考えれば難しいことは何もありません。
特に最近は職場の上司にお中元やお歳暮を贈る習慣もほとんど無くなってきましたので、細かいことを知らない人は増える一方です。
細かいルールやマナー違反があったからといって、気分を害す人もそう多くは無いと思いますが、やはり日本人の常識のひとつとして覚えておいて損はないでしょう。
ということで今回はこの辺で。
最後までお読みいただきありがとうございました。