多くの人が憧れる「セミリタイア」
定年退職時まで勤め上げずに途中で会社を辞めて、第二の人生に漕ぎ出す。
なんともロマンのある話ですよね。
しかしながらほとんどの人はこのセミリタイアを甘く見て、痛い目を見ています。
特に家族がいてそれなりにお金のかかる40代になってからセミリタイアしようと思ったら、あなたが思っているよりも遙かに失敗の確率は高くなります。
セミリタイアって、そんなに甘いもんじゃないんですね。
ということで今回はセミリタイアを考えている40代のあなたが失敗しないために知っておくべき5つのポイントについて説明します。
セミリタイアに失敗する最大の理由とは
セミリタイアに失敗する人には共通した点があります。
それは「よく考えずに会社を辞めてしまう」ということ。
失敗する人は例外なく、自分がセミリタイアしたらどうなるのかを考えていません。
ここがセミリタイアに失敗する最大のポイントです。
セミリタイアに成功した人の話ばかり読んで、失敗した話には「ま、そういうこともあるよね」程度に軽く受け流し忘れてしまいます。
セミリタイアに失敗したくないなら、失敗した人が「どうして失敗したのか」を徹底的に研究して同じ過ちは絶対に犯さない心構えが必要なのに、それがないんです。
こういうことを言うと必ず次のような台詞が聞こえてきます。
え、何言ってんの?
セミリタイアに成功した人と同じことをすれば成功できるんでしょ?
ネガティブなことは考えず、うまくいくことだけ考えてりゃ良いんだよ、って。
だから失敗するんですよ。
成功した人のやったことを真似するのは確かに大切ですが、失敗した人がやらかした過ちを犯さないことの方が遙かに大切ですから。
そこを見ようとせず、うまくいった話ばかりに耳を傾けて軽はずみに会社を辞めてしまうと取り返しの付かないことになりますよ。
あなたが20代や30代ならまだしも、40台を過ぎてセミリタイアを考えるなら、そんな子供じみた真似は厳に慎むべきです。
セミリタイアに失敗しないための5つのポイント
サラリーマンなら誰しも一度や二度はセミリタイアすることを考えます。
そしてセミリタイアした結果、自分がどうなるかをしっかりと考えた人はセミリタイアに失敗することはありません。
大半の人は「今の自分はセミリタイアしてもやっていけそうにない」ことに思い至り、セミリタイアという夢を諦めます。
もしくは条件が揃うまで実行を延期します。
これが「まとも」な人です。
中にはしっかりと自分の将来を考えて、なおセミリタイアを選ぶ人もいますが、そういう人はちゃんと自分の将来まで見据えた上で会社を辞めるため、何か障害があっても乗り越えることが出来るんです。
いやいや、自分だってちゃんと考えてセミリタイアしようと思っているよ。
そうお思いなら、以下の5つのポイントを確認してみてください。
この5つのうちひとつでも不十分なものがあれば、あなたのセミリタイアは間違いなく失敗に終わります。
1.資金の確保
まず、セミリタイアすると言うことは会社からの収入がゼロになると言うことです。
今までは給料というものがあったからそれでなんとか生活が出来ていましたが、セミリタイアすればその収入源はなくなります。
それでもあなたは生きていく上で生活費は絶対に必要ですから、リタイア後の資金の確保は絶対に必要です。
例えば親から巨額の遺産を相続したから一生生活に困らないとか。
でも本当に大丈夫ですか?
あなたが思っている以上に出費って大きいですよ?
あなたが40歳だとして、これから先何歳まで生きるつもりですか?
80歳だとしてもあと40年、生活していくための資金が確保できていますか?
サラリーマン時代以上に月々の出費は多くなりますよ?
平日は会社にいて仕事をしていたのに、平日も時間がたっぷりとあるわけですから確実にお金を使うようになります。これみんなそうです。
セミリタイアにはあなたが考えている額の2倍は必要だと思った方が良いですけど、そんなに用意できていますか?
2.人間関係
多くのセミリタイアに失敗した人に共通する点のひとつに人間関係があります。
これまでは1日のほとんどの時間を会社で過ごしていたわけですが、それがセミリタイアと同時に「あなたひとり」になるわけです。
誰に気兼ねすることなく悠々自適に過ごせていいや。
なんて思うかも知れませんが、これ案外寂しいものですよ。
孤独に耐えられなくなってしまう人って多いんですよ。
そして再び就職する・・・
でも前の職場のようにはいきません。
仕事も収入も、以前とは比べものにならないくらい酷いものになります。
それでも再就職できただけよくて、契約社員とかアルバイト生活になってしまうことも珍しくありません。
さらに厳しい現実をお話しすれば、40代で再就職できない人は決して少なくなく、契約社員にすらなれない人も相当数います。
いわゆるフリーターってやつです。
これキツいですよ。
そんな状況でひたすら孤独になっていく人もいますし、家族がいる人の場合は奥さんが黙っていないでしょう。
毎日朝から晩まで文句を言われ・・・これはこれで決して幸せな生活ではないですね。
3.何のためのセミリアイアか
あなたがセミリタイアする理由は明確になっていますか?
ただ単に会社が嫌になって辞めたい?
もっと自分の時間が欲しい?
憧れのスローライフを満喫したい?
田舎で自給自足の生活を楽しみたい?
まあいろいろとあることでしょう。
でも憧れだけで成立するほどセミリタイアは甘くありません。
セミリタイアするのは何のためか、そしてそれはセミリタイアしなければ出来ないことか、その辺はしっかりと考えておく必要があります。
今までは平日は会社、土日はのんびり・・・
これはこれで生活のリズムが出来ていたわけで、長年それに馴染んできたあなたがセミリタイアするとすべての時間があなたの自由になります。
24時間なにをやってもあなたの自由。
これはこれで落とし穴なんですよ。
なにをやっても良いと言うことは、なにもやらなくてもいいということ。
つまり放っておくと毎日ダラダラと過ごしてしまいます。
セミリタイアしてしばらくはそれでもいいでしょう。
まずはサラリーマンをあなたの全身から抜くためにも必要な時間ですから。
でもそんな日々が半年経っても1年経っても続いているようでは、何のためにセミリタイアしたんだよ?ってことになります。
ですから、セミリタイアしたら今まで以上に時間管理や自分の生きがいの確認が必要になります。
私も会社を辞めてしばらくは腑抜けのような毎日を送っていました。
これ、案外快適なんですよ。
目が覚めた時間が朝、日がな1日テレビを見て過ごす。
気が向けば昼間からビールを飲んだりして。笑
こんな日々をしばらく続けていると、だんだんそれに身も心も慣れていきます。
まあ、そんなガツガツしなくても良いじゃん、セミリタイアしたんだし・・・
という思いと、いやいやこんな生活するために会社を辞めたわけじゃないよな、という思いが右往左往します。
誰もなにも言ってくれない、すべては自分で決めていく。
これって余程しっかりしていないとダラダラ沼にドップリとはまってしまいます。
サラリーマン時代以上に毎日の時間管理は必要ですし、それを継続するために「何のためにセミリタイアしたのか」をいうことをしっかりと持ち続けること。
それが出来ない人はセミリタイアには向いていません。
4.将来のことまで考えているか
きっとあなたはセミリタイアしてなにをするかということにばかり目がいってしまい、将来のことまで考えていないことでしょう。
それも無理はありませんが、でも現実をしっかりと認識していないとあとで停滞しっぺ返しを食らうことになります。
今現在、見えていることはしっかりと考えられていると思いますが、忘れがちなのが高齢化による出費です。
たとえばあなたもしくは家族が病気になった場合のことを考えに入れていますか?
いくら自分は健康だと思っていても、高齢化に伴って様々な病気が出てくるものです。
それも手術や入院、長期療養が必要になることだって無いとはいえません。
また、事故の加害者になったりすると相手に対し賠償責任が生じますし、ご両親が介護状態になったりすれば、なにかと出費がかさむことにもなります。
そういうことって、セミリタイアする際に考慮する人はほとんどいないため、いざアクシデントが起きるとにっちもさっちもいかなくなるんです。
そういうことまで考えて、なにが起きても大丈夫な状況を準備できるかどうか。
何もそこまでしなくても・・・
そう思うとしたら、やはりあなたはセミリタイアには向いていません。
5.もう2度と戻れない覚悟
多くの人は失敗することなんて考えることなくセミリタイアしてしまいます。
たしかに、誰にも気兼ねすることなく24時間をフルに自分のものとして使える生活は魅力的なのは分かります。
分かりますが、何度も言っているようにそんなに甘いものではありませんから。
もしもセミリタイアがそんな甘い気持ちで出来ることなら、もっとたくさんの人がセミリタイアしていると思いませんか?
ところが現実はわずかな人しかセミリタイアせず、そしてその大半がセミリタイアに失敗します。
自分の人生が全く変わってしまうんですよセミリタイアって。
そしてセミリタイアに失敗した人は、二度と元のポジションに戻れません。
さらに、老後に貰える年金額も減ってしまうことを忘れてはいけません。
あなたが本気でセミリタイアしたいのなら、それは「何があっても戻ってくることの出来ない片道切符」だと言うことを肝に銘じてください。
よく他のサイトなどでは「気楽に行こうや」みたいなことを書いていますが、40代以降でセミリタイアを考えるならそんなお気楽な気持ちで行動を起こしたら痛い目に遭うのは明らかです。
また、うまくいかなかった場合に家族にも迷惑がかかることもゆめゆめ忘れないでください。
事ほど左様に、セミリタイアには大きな覚悟が必要なものです。
結局のところ
今回はセミリタイアについて説明してきました。
セミリタイアが甘いものではないと言うことがご理解いただけたでしょうか。
私は30代の頃にサラリーマンが嫌でセミリタイアしましたが、ろくに考えもせず会社を辞めてしまったため収入面でとても苦労しました。
結局、5年後に再び派遣社員として会社勤めに戻り、正社員になるまでさらに7年かかりました。
そのとき年齢は40代になっていましたが、給料は30代に会社を辞める前とほとんど変わりませんでした。
あのとき会社を辞めずにいれば、貰える給料は遙かに多くなっていたことでしょう。
そして50代の後半に、定年退職を数年後だというのにふたたびセミリタイア。
このときはアパート経営によりサラリーマン時代を上回る収入が得られる状態になっていたため生活に困ることはないし、定年も近く年金も貰えるようになるため、ある意味セミリタイアというよりは数年早い本物のリタイア、という感覚ですが。
私は余程のことが無い限り、セミリタイアをお勧めしません。
どうしてもセミリタイアしたいなら、会社を辞める前に副業でも何でもして十分すぎる収入源を確保してからにしましょう。
ということで今回はこの辺で。
最後までお読みいただきありがとうございました。